数学の「点」、芸術の「点」、だいちの星座の「点」

数学(ユークリッド原論)的な理解によれば、点には位置があるが部分はありません。一方で、私たちは「だいちの星座」の活動で地上に多くの点を描いてきましたが、それらの点は「それ以上細かく分けて使わないもの」または「長さや重さ、体積を持たない位置…

通信衛星と芸術

1967年6月25日、世界初の国際テレビ中継放送番組「われらの世界」(Our World)が24ヵ国で放送されました。この番組はイギリスBBCが中心となり、4つの通信衛星(Intelsat1,2-2,2-3, ATS-1)を利用し、5大陸14の放送局が協力(日本からはNHKが参加)して制作…

合成開口レーダで絵を描く (2)合成開口レーダはどう見えるか?

前回(合成開口レーダで絵を描く (1)なぜ合成開口レーダか?)の続きです。 「だいちの星座」では、衛星「だいち2号」で地上絵を撮影しますが、電波によって撮影する合成開口レーダを用いるため、その特殊な画像の性質をよく理解し、効果的にその画像に写り…

合成開口レーダで絵を描く (1)なぜ合成開口レーダか?

「だいちの星座」では、地上に巨大な星座の地上絵を描き、JAXAの衛星「だいち2号」(ALOS-2)搭載の合成開口レーダで撮影します。「合成開口レーダ」は地球観測用の装置の一種で、地上に向けて電波を発し、その電波が地上に当たって反射してきたものをまた衛…

「写真」としての地球観測技術と芸術

「だいちの星座」は、地球を撮影する人工衛星を使い、その画像に写りこむことで巨大な地上絵を描くアートプロジェクトです。現代ではGoogleEarthやインターネットの地図サービスなどで衛星写真そのものは身近になっていますが、それらの衛星写真は利用者にと…

みんなで描く絵

「だいちの星座」は、大勢で同時に絵を描く試みです。 絵は見るよりも描く方が楽しいと思いませんか? 星座は点で出来ています。 線は引くのが難しいですから、点で描ける星座は誰でも参加出来ますね。 文字や記号は「描く」以前に「意味」が人の行動に影響…

制作がつくり手に与える影響

「だいちの星座」の活動を始める前は、光も電波も同じ電磁波だという事がよく理解できていませんでした。思い返せばこの様な基本的な科学の知識について「だいちの星座」を通じて勉強したことが沢山あります。何かを作ろうとする時に与えられる知識は重要だ…

つくば座・もりや座

「だいちの星座」の活動は実施するそれぞれの町で新たなチャレンジをしてきました。茨城県つくば市・守谷市での活動では「だいちの星座」として初めて参加者自らが活動にエントリーし、さらに参加者自らが電波反射器を作りその配置場所の決定もエントリーし…

写真としての「だいちの星座」

写真の定義に光とレンズが不可欠だということであれば「だいちの星座」は写真ではありません。しかし、少なくとも何らかの電磁波が関係し、ある像を持続させているものを広義の写真と呼ぶのであれば、Lバンドの電波を利用したレーダによって撮像された人工…

人間リフレクタ

あなたが「だいちの星座」に参加して<人間リフレクタ>となれば、「だいち2号」が人一人を宇宙から観測し、地上絵にその存在が刻まれるかもしれません。 ある対象に電波が当たり、その入射角に向けて戻る波を後方散乱と呼びます。電波を利用した地球観測の…

「星」は人の生きた痕跡

「だいちの星座」に描かれた星の多くは、地上で生きる人々が刻んだ生の痕跡です。「だいちの星座」の作品上で電波反射器によって意図的に描き出した「一等星」の周りに無数に輝く点の中には、そのもとで多くの人が生きた証(新築の家、港に運び込まれたコン…

較正器具としてのCR

「だいちの星座」で使用する手作りの電波反射器を製作するにあたり、合成開口レーダの較正を行うために地上に配置するコーナ・リフレクタ(以下、CR)を参考としています。「だいち2号」の較正は一辺が3m程の大型のCRが使用されることがあり、これに能動型…

手引書

電波反射器の製作手順を説明するためにハンドブック「だいちの星座」を作り、手引書と呼んでワークショップ等で配布してきました。この手引書の編集は2015年に金沢美術工芸大学の学生が中心となってすすめられ制作され、「だいちの星座」における電波反射器…

定点観測

萩原朔美氏は「だいちの星座 ーたねがしま座・つくば座・もりや座ー」展会期中に実施されたシンポジウム(2015年8月/アート・スペース・キムラ ASK?)の中で、「だいちの星座」は定点観測によって浮かび上がる日常生活の中の特異性を見ようとする作品ではな…

KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭

このブログ記事を書いているタイミングは、茨城県にて「だいちの星座」が「ART KENPOKU 2016 茨城県北芸術祭」(2016年9月17日〜11月20日)に参加し、会場の一つである旧美和中学校(茨城県常陸大宮市高部454)にて「いばらきけんぽく座」を展示している最中…

電波反射器の基本設計

「だいちの星座」を描くには、電波反射器が重要な役割を果たします。 私たちが電波反射器と呼ぶ道具は人工衛星を利用した地球観測の分野ではCRと呼ばれ、観測システムの較正を目的として日常的な業務で利用されています。「CR」と聞くと、パチンコを想像する…

チェスリー・ボンステル

チェスリー・ボンステルというイラストレーターに注目しています。映画雑誌*1の中で、シド・ミードと対談した富野由悠季が両親からボンステル氏の絵を贈られ、ペンシル・ロケットが火星に立っている姿にゾクゾクしたエピソードが紹介されていました。ボンス…

『ノアのはこぶ「絵」』って何?

茨城県守谷市にはアーカスプロジェクト(ARCUS Project)という美術作家と地域の方々が交流する団体があります。もりや学びの里という廃校を利用した施設内に事務所があり、アーカススタジオは一年のうちの数ヶ月は海外からアーティストが来日して守谷市内で…

「だいちの星座」ブログをはじめます。

早いもので、人工衛星を利用して地上絵を描く活動を始めて6年が経ちました。 2016年の春から夏にかけて茨城で実施した大規模な制作もひと段落し、活動をまとめるための文章を書きはじめることにしました。 このブログでは写真などを交えて活動を振り返りつつ…